「犬には、絶対に発酵食品が体に良い」と信じて毎日せっせと与え続けていませんか?
その発酵食品、あなたの犬にとって本当に合っているでしょうか。
あなたの犬を悩ませている問題の原因は、あなたが毎日せっせと与えている発酵食品、ということはないでしょうか。
発酵食品は、多くの犬にとって健康に役立つものです。
納豆を筆頭に、時にはコンブチャなどを作ってまで与えている方は多いものです。
一般的に発酵食品を与えていると調子が良い犬がいるのも確かです。
私も、犬の腸内環境のバランスを整えるためにプロバイオティクスやプレバイオティクスを推奨してきました。
ところが、全ての犬にとって発酵食品が必ずしも完璧に健康に役立つとは限りません。
この記事では、発酵食品を与えないほうが良い犬の特徴、発酵食品がすべての犬に適しているわけではない理由をご紹介しています。
Contents
発酵食品で犬に起こる問題
1 犬のヒスタミン不耐性
犬が発酵食品を食べた場合に起こる最大の問題は、発酵食品に含まれる「ヒスタミン」の問題です。
発酵食品には「ヒスタミン」が含まれています。
体内で分解できないヒスタミンが過剰になる状態を「ヒスタミン不耐性」と言います。
この症状は、アレルギーによく似ています。
・発酵食品を食べた後犬にアレルギーのような症状が起こる
発酵食品が体に合う犬もいれば、ヒスタミンを多く摂取すると、ヒスタミンの分解酵素が少なく、発酵食品を摂ることでヒスタミンが多くなりすぎアレルギーのような症状を起こす犬がいます。
痒みがあるなどアレルギーを疑われる犬は、発酵食品を摂っていても摂っている期間と比較して体調の改善が見られない場合は一度止めて様子を見てみましょう。
・犬のげっぷの原因は「酸逆流症」かも
日常的に発酵食品を多く食べさせている犬が、もしげっぷをしていたら。
食後に不快な様子や吐出をするようならもしかしたら発酵食品が原因かもしれません。
2 肥満細胞腫の犬には発酵食品を与えない
肥満細胞腫の犬は、ヒスタミンが多く出ています。
ヒスタミンが多いと、皮膚のかゆみや消化器系のトラブルが発生します。
そのため、獣医さんは「抗ヒスタミン剤」を投与するかもしれません。
ヒスタミンの量を薬で抑えて症状を軽くしようとしているのに、飼い主が発酵食品でヒスタミン過剰の状態を作り出してはいないでしょうか。
ヒスタミン不耐性の可能性がある、肥満細胞腫の犬の中には、良かれと思って与えている発酵食品が合わない場合もある、ということを飼い主が知ることが大切です。
3 酵母菌が合わない犬もいる
犬のサプリメントとして、ビール酵母やニュートリショナルイーストなどの「酵母」がよく挙がります。
酵母菌が、発酵食品の作用を助けるという側面もあります。
私が学び始めた頃からずっと、この「酵母」については必ず「酵母アレルギーや酵母が合わないばかりかカンジダなどの症状を強めてしまう場合があるので与える場合はよく注意する」という注釈がついていました。
酵母菌が栄養補給になったり、腸内細菌のバランスを整えてくれる可能性がある一方で、微生物は人間の思い通りにならないこともあるのです。
一方で、菌の感染がある犬に発酵食品を与えることを止めただけで症状が改善することもあるようです。
犬は「膨満感」を表現できない
犬に発酵食品を与える場合は、犬が「膨満感」を感じていないか注意してみてあげましょう。
発酵食品を食べると、お腹が張ったり時には頭痛を引き起こすこともあります。
お腹が張っていても、犬は飼い主に伝えることができません。
ガスが溜まっている場合は、ヒスタミンの分解を助けるプロバイオティクスを使うという改善策もあります。
それでも、発酵食品の与えすぎには注意しましょう。
まとめ 犬に発酵食品が必ずしも良いとは限らない
大切なのは犬の飼い主の「観察力」
発酵食品は、犬の食材として本来不適切なものかもしれません。
発酵食品を摂ることで腸内細菌のバランスが整い、健康に役立つ犬がいるのも事実です。
一方で、世界でたった一頭のあなたの犬にとって発酵食品が適切かどうかは、与えて、食べる様子や食後の様子、体調をよく観察したうえで飼い主が判断する必要があるのです。
もし、何の疑いもなく毎日毎食犬に発酵食品や酵母菌を与え続けていて、犬が抱えている問題が解決できていないのなら、一度足し算を止めて「引き算」をしてみてはいかがでしょうか。
ネットで見たから、誰かに聞いたからよいと信じこんでしまうのではなく、愛犬の声なき声を聴くことを始めてみましょう。
一度立ち止まってゆっくり考えて犬と一緒に判断してみてくださいね。
犬の不自然な食べ物は不自然な結果に繋がる
犬の食事を考える上で、最も大切なのは犬の「食性」を理解して与えることです。
犬に与えようとしている食べ物は、犬にとって自然な食べ物でしょうか。
犬は、納豆を作ることはありません。
豆や芋を掘り出して食べる環境では暮らしていません。お米を炊いて食べることもありません。肉を加熱して食べることもありません。小麦も、豆も、トウモロコシも、芋も本来の犬の世界には存在しない、人間が作り出したものです。
自然界に存在する魚でさえも、犬は海に潜ることができないので、本来、犬の食事ではないのです。
ただ、食べられるもの、人間とシェアできる食べ物もあります。
「受け入れられる犬である」ことが前提となります。
その食べ物は、犬が食べても単に今すぐ死なないだけのものなのか。
それとも主食として、毎日犬に与えるものとして適切なのか。
正しい知識を持ち、犬をよく観察し、よく考えてそれぞれの犬に合った食事を選んであげましょう。
犬の健康は食べ物が非常に重要であるにも関わらず、犬は、自分で食べるものを選ぶことができません。
発酵食品の中でも、特に納豆を与える方が多いです。
納豆は犬の食材として、不適当だという理由が多くあります。
犬に納豆を与えているなら、犬の食事を学びなおすことを強くお勧めします。
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参考