犬の心臓病の要因をご存知でしょうか。
食事が、その一端を担っています。
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FDAの報告
2018年7月12日。
FDA(米国食品医薬品局)は、犬の拡張型心筋症(DCM)が、豆類・マメ科植物の種子・ジャガイモを主成分とするフードを食べている犬に拡張型心筋症が起こっているとペット所有者や獣医師に警告しました。
遺伝的に拡張型心筋症(DCM)に罹りにくい犬種でも拡張型心筋症(DCM)が起こっているため、食事との関連を調査しています。
犬の拡張型心筋症(DCM)とは
通常、犬の拡張型心筋症は、大型犬に多く見られます。
グレートデン、ボクサー、アイリッシュ・ウルフハウンド、ドーベルマン、セントバーナード、ニューファンドランドなど。
アメリカン・コッカー・スパニエルとイングリッシュ・コッカー・スパニエル以外の小型中型の犬種ではあまり見られないとされています。
ところが、FDAのレポートでは、ゴールデンとラブラドールレトリーバー、ホイッペット、シーズー、ブルドッグとミニチュアシュナウザーだけでなく、混合品種が含まれています。
そのため、遺伝以外に食事に要因があるのではないかと指摘されています。
犬の拡張型心筋症の症状
犬の心臓、心室の壁が肥大し、心臓から血液を送り出すために強い力が必要になります。
心臓弁が漏れ、胸部及び腹部に体液が蓄積します。
うっ血性心不全を引き起こすこともあります。
症状としては
・咳
・呼吸困難
・虚脱
・運動したがらない
・失神
等が見られます。
拡張型心筋症になった犬が食べていた「キブル」
FDAに報告された症例の犬が食べていたドッグフードは、ジャガイモや豆類が主原料のドッグフードです。
ジャガイモやエンドウ豆、レンズ豆、その他の豆類(豆類の種子)、それらのタンパク質、デンプン、繊維などが原材料の上位に列挙されていました。
拡張型心筋症になった犬は、犬はこれらのドッグフードを一ヶ月から数年にわたり、毎日毎食主食として食べさせられていました。
キブルを与えるのを止めて
キブル(ドライフード)は、グレインフリーかどうかにかかわらず、犬にとっては良いものではありません。
1. キブルは死んだ食べ物です。
ドライフードは圧力をかけ、圧縮され加熱されます。
圧力と加熱は、ドライフードの栄養素を破壊します。
ほとんどのキブルでは、製造工程で食品を4回加熱する必要があります。
つまり、製品として棚に並ぶときには、事実上すべての栄養はなくなっています。
加熱や流通の過程で失われた栄養の帳尻を合わせるために、メーカーはビタミンやミネラルのサプリメントをドッグフードに加えます。
しかし、これらは本物のビタミンやミネラルではありません。
実験室で作られた、合成・人工の偽物の栄養素です。
自然の栄養素と人工の栄養素は、犬の体内で同じ働きをしないことがわかっています。
2.キブルにはアフラトキシンが含まれています。
アフラトキシン(カビ毒)は、カビ由来の毒性発癌物質です。
トウモロコシ、小麦、米、ナッツ、マメのような穀物によく見られます。
ドライドッグフード中のアフラトキシンは、過去数年間、重大な健康上の懸念を引き起こしています。
1952年に、致命的な肝臓病による数匹のイヌの死亡が食物中のアフラトキシンと関連していたとされています。
1998年、アフラトキシンを含むドッグフードを食べた後、55匹の犬がテキサス州で死亡しました。
アフラトキシンを含む市販の犬用食品は、2005年に米国で23匹の犬の死を引き起こしました。
何年もの前から、無数の犬がカビ毒によって死亡しています。
専門家は、報道されていない健康被害が増えていると指摘しています。
3.キブルは酸化しやすい
あなたの犬のキブルに含まれるオイルは、酸素や光と接触するとすぐに酸化が起こります。
キブルは酸化という化学反応を起こしやすいのです。
これはバッグ(パッケージ)を開けるとすぐに始まります。
チャックを空けてお皿に開けるたびに、空気に触れて酸化が進みます。
酸化はまた、カビおよび細菌をドライフードの中で生育させることもあります。
腐敗した脂肪はビタミンを破壊し、ビタミン欠乏症を引き起こす可能性があります。
ドッグフードは、なるべく新しいものを手に入れ、冷凍庫で保管し、2週間以内に使い切りましょう。
それでも、ドッグフードは実際にはいつ作られ、どのような環境下にあったのかはわかりません。
どのくらいアフラトキシンが含まれ、どのくらい酸化しているか、犬が食べさせられるときどれほどひどい状態になっているかは誰にもわからないのです。
「グレインフリー」フードの問題点
「グレインフリー」のドッグフードは、穀類の代わりにマメ科植物やジャガイモを大量に使用します。
拡張型心筋症の4症例の犬でアミノ酸の「タウリン」の血中レベルが低いことが示されました。
タウリンの欠乏は犬の拡張型心筋症の原因になることが、十分に立証されています。
タウリンの補給や食事の変更による治療で血中タウリン濃度が低い犬は回復しました。
FDAは、まだ拡張型心筋症の犬のタウリン欠乏が、ドッグフードによるものであると結論づけてはいません。
ただ、その結論はまた、ドッグフードが安全であるという証明にもなってはいません。
タウリンを豊富に含む犬の食事とは
タウリンは、含硫アミノ酸のひとつです。
動物性の食材にしか含まれず、熱に弱いため加熱で失われます。
タウリンの欠乏が、犬の拡張型心筋症の原因になることは立証されています。
もっとも簡単なのは、犬に動物性食品を生で食べてもらうことです。
私がご提案する犬の自然食は、犬にとっての自然な食事です。
犬は、自然界で肉を加熱することはありませんから、自然食では基本的に生肉生骨を与えます。
犬は、体内でタウリンを合成できるとされていますが、個体差があります。
このFDAの報告のように、ドッグフードや加熱食では足りず血中タウリン濃度が低下して心臓の病気を引き起こしている個体も多いことでしょう。
犬の拡張型心筋症を予防するためにも、犬の健康のための手作りごはん「自然食」を取り入れることをお勧めします。
犬の自然食を始めるときに最も大切なこと
それは、きちんとした先生に習い正しい知識をもって実践することです。
独学の手作り食は、生食、加熱食ともに犬の健康を損ないます。
生肉生骨を用いた食事だけで犬が健康で幸せに暮らせる安全な手作り食を用意するには、飼い主の知識が必要です。
ドッグフードや加熱食で栄養不足が続き、胃腸の機能が大きく落ちている犬はいきなり生肉を食べさせても消化吸収ができないかもしれません。
他人のレシピをただ真似しても、あなたの犬に合わなければドッグフードでも手作り食でも犬にとっては残念な不幸な餌になってしまいます。
飼い主とそれぞれの犬のペースに合わせて、プロのサポートを受けながら安全な手作りごはんを安心して始めて楽しく続けていきませんか?
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この記事の参考資料
FDA Investigating Potential Connection Between Diet and Cases of Canine Heart Disease